サプリメントアドバイザーの児玉晃典です。
本日も健康寿命と睡眠について考えてみましょう。
【良質な睡眠をとる重要性】
成長ホルモンは、子供にとっては骨の発育、成長を促す大切なホルモンです。
もちろん大人にとっても大切なもので、
大人にとっての成長ホルモンは、筋肉を増強させ、血液中の水分や糖分などの代謝を調節し、体の様々な組織の修復、疲労回復、脂肪燃焼などを促進するホルモンなのです。
成長ホルモンが不足すると、
脂質、たんぱく質、糖質、骨、水分、ミネラルなどの代謝がうまくいかなくなります。
その結果、
「体脂肪の増加」「骨量の減少」「筋肉量の低下」「心臓や腎臓の機能低下」「全身の疲労感や倦怠感」などといった症状があらわれます。
これらの症状はいわば老化現象です。
成長ホルモンは深い睡眠の時により多く分泌されますから、いかに良質な睡眠をとるかが、老化から遠ざける、アンチエイジングになるということになります。
成長ホルモンは深夜2時に最も多く分泌されるので、
この時間に深い眠りに入っていれば、体の疲れも取れ、体調の維持・管理にもいいのです。
また、成長ホルモンの分泌不足は、睡眠不足以外にも、
運動不足やストレスによっても引き起こされてしまいます。
だから、生活習慣にも気を付けていくことも大切です。
睡眠時には、自律神経は副交感神経が優位になっていて、体の中の細動脈が弛緩しているので、
成長ホルモンが体中に行き渡りやすくなっています。
そういったことからも、良質の睡眠が大切なのです。
年齢によって、成長ホルモンが分泌される深い睡眠が減っていってしまいますが、
通常、全睡眠の10~15%程度が深い睡眠であると言われています。
【メラトニンとセロトニン】
メラトニンは夜暗くなることで作られます。
このメラトニンの材料はセロトニンという神経伝達物質です。
セロトニンは、必須アミノ酸のトリプトファンという栄養素から作られます。
つまり、
トリプトファン→セロトニン→メラトニンという流れでメラトニンは作られるのです。
トリプトファンは、牛肉、豚肉、鶏肉、魚類、穀物などに含まれており、
昼間にしっかりとこれらを食べておくことが重要です。
トリプトファンからセロトニンは脳の松果体というところで合成されます。
そして夕方ごろには、そのセロトニンはメラトニンになるのを待っている状態になっています。
日が沈むとともに、セロトニンは分泌されなくなります。
セロトニンは光によって分泌が促されるのです。
メラトニンが十分に作られるためには、
夕方までの間にセロトニンが十分に作られておくことが必要です。
セロトニンからメラトニンに合成されるきっかけは、目の網膜から入る光が消えることです。
つまり、メラトニン分泌には暗いことが条件になります。
夜になっても、いつまでも起きていて、光が当たっている状態では、
メラトニンがなかなか作られません。
布団に入ってスマホを使っていてはダメなのです。
昼間の間にセロトニンが十分に作られていると、目を閉じることが引き金になって、メラトニンの分泌を促します。
メラトニンが分泌されると、睡眠に関係する視床下部にメラトニンが運ばれて、睡眠を誘発するのです。
私たちは昼間体を動かしたりして十分活動しないと、夜熟睡できないと経験的に知っていますが、
それは昼間セロトニンが十分に分泌されて、夕方から十分にメラトニンが分泌されるという生理に適っているのです。
昼の間に、太陽を浴びて、体を動かすといったセロトニンが活発に作られる活動をして、夜にメラトニンが十分分泌される準備をしておくことが必要なのです。
それが、良質な睡眠をとるためのポイントです。