サプリメントアドバイザーの児玉晃典です。
今日は、1日に必要な栄養摂取量について考えてみます。
日本は長寿の国として有名ですが、老後、寝たきりになる人の数はアメリカの約5倍ともいわれています。
生活習慣病患者も日本では増加、アメリカでは減少の傾向にあると言われています。
日本人の生活習慣病は食生活やライフスタイルの欧米化が原因とされているのに、
なぜこのようなことがおきるのでしょうか?
「健康」にはレベルがあることをご存じでしょうか?
日本とアメリカの健康に対する考え方の違いを考える前に、3段階ある健康レベルについて見ていきましょう。
レベル1:「ヘルス(Health)」
病気ではない状態のことです。
いつも疲れていたり、あちこち痛いと不調を抱えていたりしても、
病名さえつかなければ「ヘルス」に含まれてしまいます。
レベル2:「ウェルネス(Wellness)」
1982年、
ヨーロッパでは「西暦2000年にすべての人に健康を」運動(HFA2000)として約200の指標を設定し、
健康運動が世界中で広がっていきました。
病気ではないけれど、このままでは病気になりかねない状態をケアする。
病気の予防を目指すようになったのです。
レベル3:「オプティマルヘルス(Optimal Health)」
1990年代に入ると健康に対する考え方はさらに進化し、
最善の(Optimal)健康状態を一生キープすることにシフトしていきました。
心も身体も生き生きと過ごすことができるベストな健康を実現、維持するために
ライフスタイルを整える意識が生まれたのです。
日本の「必要栄養素」とは、何を基準に決められているのでしょうか?
目安として厚生労働省発表の「日本人の食事摂取基準」や「栄養機能食品の規格基準」があり、
栄養素ごとに必要量などが記されています。
これは栄養欠乏症を予防するために必要な栄養量の平均を割り出したものです。
つまり、レベル1の「ヘルス」をクリアできる栄養量。
日本では病気でない人はすべて「健康」と定義しているのです。
健康診断の数値が成人病予備軍のイエローカードだとしても、「病気でないから健康」というわけです。
わたしたちは、この程度の健康で満足することができるでしょうか?
厚生労働省では、栄養欠乏症を防ぐ目安として栄養所要量を定めています。
しかし所要量に学問的な根拠はほぼなく、
この所要量を摂取しても多くの生活習慣病が進行するケースが確認されています。
同省の所要量は脚気、壊血病などの最近では見かけない、
特定のビタミン不足によるレトロな病気を予防するために必要な、最低限のレベルで設定されているのです。
ビタミンCを例に挙げると、
「オプティマルヘルス」では1日1,000mg~2,000mgの摂取を推奨しています。
しかし、厚生労働省の所要量は100mgです。
ずいぶん数値差がありますが、
政府の見解では最低限のレベルさえクリアしていれば問題ないのです。
しかし、「オプティマルヘルス」を実現しようとすれば、
1日でこれほど大量のビタミンCを食品から摂取するのはかなり困難なのです。
つまり、
1日2000mgのビタミンCを推奨するということは、
サプリメントを購入しろと言っているようなものです。
一方、健康先進国のアメリカではレベル3の「オプティマルヘルス」が国民全体に浸透しています。
さらに国と国民が一体となり、健康づくり計画を評価する「ヘルシーピープル」などを展開しました。
これによりアメリカは、10年間で120万人もの高齢者要介護者を削減しました。
医療・介護の国家予算を大幅に減少させる事に成功させました。
「オプティマルヘルス」を定着させることで予算が削減されたうえに、
多くのアメリカ国民が元気に楽しく老後を過ごせるようになったのです。
健康とは、WHO(世界保健機関)憲章によると、
「身体的にも精神的にも社会的にも完全に良好な状態をいい、
単に病気がないとか病弱でないということではない」と定義されています。
20代には20代の、70代には70代の、
それぞれの年代にとって最善の健康状態を生涯キープすることが必要なのではないでしょうか。
健康先進国のアメリカでは、
「人間らしく最善の健康状態で豊かな生活を楽しむところに価値がある」という
オプティマル・エイジングが国民全体に認識されています。
その結果、家族全体で良いサプリメントの選択、利用が習慣化されるようになりました。
もちろん日本にいるわたしたちも、
ましてや激しい運動を行うアスリートのとっては、
オプティマルヘルスに必要な栄養量を摂取することは必須です。